十日戎 えべっさん

十日戎(とおかえびす)とは、毎年1月9日から11日にかけて、西日本を中心に行われる伝統的なお祭りで、「商売繁盛」「家内安全」「五穀豊穣」などを願って、七福神の一柱である恵比寿様をお祀りする行事です。特に関西地方では「えべっさん」の愛称で親しまれ、年明け最初の大きな風物詩として多くの人でにぎわいます。

恵比寿様は、釣り竿と鯛を持った姿で知られ、古くから漁業や商業の守り神として信仰されてきました。日本では、恵比寿様だけが“純日本生まれの神様”とされ、庶民にとってとても身近な存在です。そのため、商売を営む人々を中心に、「今年も良い一年になりますように」と願いを込めて参拝する習慣が根付いてきました。

十日戎の期間中、神社の境内にはたくさんの屋台が並び、華やかな雰囲気に包まれます。参拝者はまず本殿でお参りをし、その後「福笹(ふくざさ)」と呼ばれる笹の枝を受け取ります。この福笹には、小判や米俵、鯛などの縁起物が飾り付けられ、「福娘」と呼ばれる女性たちが、参拝者の願いに合わせて一つひとつ授けてくれます。これを店や家に飾ることで、福を呼び込み、商売繁盛につながると信じられています。

また、十日戎には「残り福」という言葉があります。最終日の11日に参拝すると、「最後まで残っている福をいただける」「遅れても、まだ福はある」という意味合いがあり、忙しくて行けなかった人や、少し縁起を担ぎたい人たちにも希望を与えてくれる言葉として親しまれています。

十日戎は、単なる宗教行事にとどまらず、人々が新しい一年に向けて気持ちを新たにし、前向きな一歩を踏み出すための“区切り”のような存在です。「商売繁盛で笹持ってこい」という掛け声に象徴されるように、活気と笑顔にあふれたこのお祭りは、日本人の暮らしと心に深く根付いた、温かみのある伝統文化なのです。

(吹田市 児童発達支援 コドモこらぼ吹田校)

BLOG

ブログ

View All
PAGE TOP