「異彩を、放て。」をミッションに掲げるヘラルボニーについて

株式会社ヘラルボニー(HERALBONY)は、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、知的障がいのあるアーティストのアート作品をビジネスとして展開する岩手県盛岡市発のスタートアップ企業です。

https://heralbony.com

従来の「福祉」という枠組みを超え、障がい者を「支援される対象」ではなく、類まれな才能を持つ「表現者(アーティスト)」として再定義したことで、日本のアート界やビジネス界に大きな変革をもたらしました。

1. 設立の背景と社名の由来

ヘラルボニーは、双子の兄弟である松田崇弥氏と松田文登氏によって2018年に設立されました。起業の原点は、彼らの4歳上の兄・翔太さんにあります。重度の知的障がいを伴う自閉症である兄が、周囲から「かわいそう」と哀れみの目で見られることに、幼少期から違和感を抱いていました。

「ヘラルボニー」という社名は、その兄が7歳の頃に自由帳に書き記していた、この世に存在しない謎の言葉です。彼らにとってそれは「一見意味がないと思われるものに、新しい価値を見出す」という決意の象徴となりました。

2. 独自のビジネスモデル:ライセンス事業

ヘラルボニーの最大の特徴は、単に作品を販売するだけでなく、アートを**「知的財産(IP)」**として管理・活用するライセンスビジネスを確立した点にあります。

企業コラボレーション: 建設現場の仮囲い、航空会社のアメニティ、クレジットカードの券面、ホテルの客室など、多様な企業のブランディングにアートを提供しています。

自社ブランド: ネクタイ、バッグ、スカーフなどのライフスタイルブランド「HERALBONY」を展開。

正当な対価: 契約を結んだアーティストには、作品の利用料としてライセンス料が支払われます。これにより、障がい者の経済的自立を支援する持続可能な仕組みを作っています。

3. 社会に与えたインパクト

ヘラルボニーの活動は、社会の「障がい」に対する解像度を劇的に高めました。

福祉のイメージ刷新: 「寄付や同情」ではなく「デザインとしての魅力」で選ばれる市場を創出。

「異彩作家」という呼称: 障がいという特性を「欠落」ではなく、人には真似できない「異彩(才能)」として肯定する文化を浸透させています。

国際的な評価: 2024年以降、海外展開も本格化しており、世界的な広告賞やデザイン賞を多数受賞するなど、日本発のソーシャルビジネスとして世界からも注目されています。

ヘラルボニーは、単なるアート企業ではありません。彼らが描くのは、「障がい」という言葉そのものが不要になるほど、多様な個性が当たり前に輝く社会の姿です。

ヘラルボニーは、2025年から2026年にかけて、日本国内だけでなく**パリ・ファッションウィーク(パリコレ)**への進出や、空の旅を支える大規模なコラボレーションなど、さらに活動の幅を広げています。

具体的な事例と、その中心にいる代表的なアーティストについて紹介します。

1. 最近の注目コラボレーション事例

パリコレでの「ANREALAGE(アンリアレイジ)」コラボ

2025年9月、パリ・ファッションウィークにて、世界的デザイナー森永邦彦氏が手掛ける「ANREALAGE」の2026年春夏コレクションにヘラルボニーが参加しました。18名の契約作家による22作品が、最新のテクノロジーと融合した衣服としてランウェイを彩り、アートとファッションの境界を超えた表現が世界的に絶賛されました。

日本航空(JAL)との「Beyond Guide」とアメニティ

JALとは長年にわたり深いパートナーシップを築いています。

機内アメニティ: 国際線ビジネスクラスのポーチに、水上詩楽氏などの作品を採用。

空のバリアフリー: 2025年6月には、知的障がいのある方のフライト不安を解消するためのガイド『Beyond Guide』を共同制作。ソフト面でもインクルーシブな旅をサポートしています。

リカバリーウェア「TENTIAL(テンシャル)」コラボ

2025年11月、健康を支えるウェルネスブランド「TENTIAL」の人気パジャマ「BAKUNE」にアートを融合。「心と体の両方を整える」というコンセプトで、日常のライフスタイルに深く入り込んでいます。

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