10月に入り、朝夕の肌寒さを感じる日が増えてくると、そろそろ秋服への衣替えの時期ですね。上着が一枚あると安心な季節になってきました。
しかし、この季節の変わり目になると「半袖から長袖に替えた途端、泣いて嫌がる」「服のタグや縫い目が気になってパニックを起こしてしまう」といったお悩みを抱える保護者様は少なくありません。毎朝の着替えのたびに不機嫌になったり泣かれたりすると、お出かけ前の忙しい時間帯は特に、お父様やお母様も心が折れそうになってしまいますよね。
「どうしてもっとスムーズに着替えてくれないんだろう」「我が子のわがままなのかな」と自分を責める必要はまったくありません。お子様が服を嫌がる背景には、しっかりとした理由が隠れていることがとても多いのです。まずはその理由を知り、お子様の気持ちに寄り添うことから始めてみませんか。
10月の衣替えシーズンに!お子様が長袖や新しい服を嫌がる理由とは?
お子様が特定の服や新しい季節の服を拒否するとき、単なる機嫌の悪さや「わがまま」ではなく、感覚や脳の発達の特徴が関係している場合があります。主な理由として、以下の3点が挙げられます。
・感覚過敏(触覚の過敏さ)がある
肌の感覚が非常に敏感な「触覚過敏」を持っているお子様にとって、服の素材や形状は大人が想像する以上に大きな刺激となります。チクチクする首元のタグ、ズボンのゴムの締め付け、長袖の袖口が皮膚に擦れる感覚などが、強い不快感や痛みとして感じられることがあるのです。
・見通しが立たない不安や「変化」への抵抗
未就学児のお子様、特に発達がゆったりとしたお子様は、「いつもと同じ」であることに強い安心感を抱きます。季節が変わって急に長袖や厚手の服を着せられると、自分の予測と異なる状態に不安を感じ、パニックになってしまうことがあります。
・手先の不器用さ(微細運動の課題)
長袖の服は、半袖に比べて袖に腕を通す工程が増えます。ボタンを留める、袖口から手をしっかり出すといった動作は、手先を上手に使う力(微細運動)や、自分の体の位置関係を把握する力(身体感覚)が必要です。これらがまだ発展途上にあるお子様にとって、長袖を着る作業自体が難易度の高いチャレンジになっています。
このように、お子様がパニックを起こしてしまうのには必ず理由があります。「嫌だ」という行動は、自分の不快感や困りごとを一生懸命に伝えようとしているサインなのです。
児童発達支援で取り組む「できた!」を増やす生活動作のステップ
家庭での着替えをスムーズにし、お子様の「できた!」という自信を育むために、児童発達支援の現場では、遊びやスモールステップを取り入れた様々な工夫が行われています。療育の視点から、ご家庭でも実践できるおすすめの工夫や遊びのアイデアをご紹介します。
・着替えのステップを細かく分ける(スモールステップ)
一度に「全部自分で着替えなさい」とするのではなく、動作を小さく分解してサポートします。例えば、長袖のシャツであれば「頭を入れる」「腕を通す」「服を下に引っ張る」という工程に分けます。最初は途中まで手伝い、最後の「服を引っ張る」ところだけをお子様にやってもらいます。少しでも自分でできたら「できたね!」とたくさん褒めることで、自信と達成感が生まれます。
・感触遊びを通して「触覚のなれ」を育む
触覚過敏を緩和するアプローチとして、児童発達支援の現場では、粘土遊びや小麦粉絵の具、圧縮したスポンジなどを使った感触遊びがよく取り入れられています。手のひらや腕全体で多様な素材に触れる体験を重ねることで、脳に送られる感覚刺激への過剰な反応が少しずつ和らぎ、服の素材に対する抵抗感が減っていく効果が期待できます。
・指先を使った「微細運動遊び」で手先を育てる
着替えに必要な指先の力や器用さを養うために、紐通しや洗濯バサミ外し、シール貼りといった室内遊びが効果的です。遊びの中で楽しく指先を使う経験を積むことが、将来的にボタンの掛け外しやファスナーの上げ下げといった生活動作の基盤になっていきます。
・事前の見通しを立てる工夫
明日着る服を前日の夜にお子様と一緒に選んでおいたり、服のイラストや写真を使ったカードを見せたりして「明日はこの長袖を着ようね」とあらかじめ伝えておくのも有効です。視覚的に見通しを持たせることで、心構えができ、スムーズに着替えを受け入れやすくなります。
お困りごとは一人で抱え込まず私たちにご相談ください
衣替えをはじめとする毎日の生活動作は、ご家庭の中で完結させようとすればするほど、お互いにストレスが溜まってしまいがちです。「周りのお友達は上手に着替えているのに」「自分の関わり方が間違っているのかな」と、一人で悩みを抱え込んでいませんか。
お子様の発達のペースや感覚の特徴は、一人ひとりまったく異なります。だからこそ、その子に合ったペースでスモールステップを重ね、成功体験を増やしていくことが何より大切です。
私たちの事業所では、吹田市やその周辺にお住まいのお子様と保護者様が、毎日を笑顔で過ごせるよう、専門スタッフが一人ひとりに寄り添った丁寧なサポートを行っています。生活習慣のしつけやお着替えのお悩み、触覚過敏への対応など、どのような小さなことでも構いません。どうぞ遠慮なく私たちにお聞かせください。
私たちの事業所では、随時ご相談や施設の見学を受け付けております。実際のお部屋の雰囲気をご覧いただいたり、日頃のちょっとしたお悩みを専門スタッフにお話しいただくだけでも、心が軽くなるきっかけになるかと思います。
お子様の「できた!」という笑顔を一緒に増やしていきませんか。スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。まずはお気軽にお問い合わせください。

