就労継続支援B型とは?自分らしい働き方を見つける場所

「一般企業で働くのはまだ不安。でも、家にずっといるのもつらい」

「体調に波があって、毎日決まった時間に働くことが難しい」

「子どもが特別支援学校を卒業するけれど、その先の働く場所をどうしよう」

そんな本人やご家族に、ぜひ知ってほしい選択肢が**就労継続支援B型(B型事業所)**です。

結論から言えば、B型は単に「作業をする場所」ではありません。

**その人の体調や障がい特性に合わせながら、社会とのつながりを持ち、自分らしい「働く」を積み重ねていく福祉サービス**です。

## そもそも「就労継続支援B型」とは?

就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。

一般企業などで働くことが難しく、雇用契約を結んで働くことも現時点では難しい方に対して、**働く機会や生産活動の機会、就労に必要な力を身につけるための支援**を提供します。

大きな特徴は、事業所と利用者が**雇用契約を結ばない「非雇用型」**であること。

そのためA型事業所や一般企業の「給与」とは異なり、作業によって得られた収益などから**「工賃」**が支払われます。

作業内容は事業所によって本当にさまざまです。

パン・お菓子づくり、農作業、清掃、部品の組み立て、袋詰め、ハンドメイド、パソコン作業、デザイン、動画編集など、近年は選択肢も広がっています。

## どんな人が利用できるの?

対象となるのは、知的障がい、精神障がい、発達障がい、身体障がい、難病などがあり、一般企業での就労や雇用契約に基づく働き方が難しい方です。

例えば、

* 一般就労を経験したが、年齢や体力、障がいの状態などから継続が難しくなった方

* 就労移行支援などを利用したものの一般就労につながらなかった方

* 就労の機会を通して能力の維持・向上を目指す方

などが対象になります。

そして現在、特に知っておきたい制度変更があります。

**2025年10月から「就労選択支援」が始まりました。**

新たにB型を利用する方のうち一定の対象者は、原則として事前に就労選択支援を利用し、本人の希望や得意・不得意、必要な配慮などを整理したうえで、自分に合った働き方を考える仕組みになっています。

一方、50歳以上の方、障害基礎年金1級を受給している方、就労経験があり年齢や体力面などから一般就労が難しくなった方などは、必ずしも就労選択支援を経なければならないわけではありません。

## 利用したいときはどうすればいい?

「B型に行ってみたい」と思っても、いきなり通い始めるわけではありません。

一般的には、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業所などへ相談し、必要に応じて就労選択支援などを利用。その後、希望するB型事業所の**見学や体験利用**を行い、サービス等利用計画の作成、自治体による支給決定、事業所との契約を経て利用開始となります。

ここで大切なのは、**事業所を「近いから」だけで決めないこと**です。

見学では「どんな作業があるか」だけでなく、職員の声かけ、利用者さんの表情、休憩の取りやすさ、送迎、昼食、工賃、利用日数、体調不良時の対応、一般就労への支援なども確認してほしいと思います。

## B型の良さは「工賃」だけでは測れない

厚生労働省によると、令和6年度のB型事業所の全国平均工賃月額は**24,141円**でした。

もちろん工賃を上げていくことは大切です。

しかし、B型の価値を工賃だけで判断してしまうと、支援の本質を見失うことがあります。

昨日まで昼夜逆転していた人が、週2日、朝起きて通えるようになった。

人との関わりが怖かった人が、「おはようございます」と言えるようになった。

失敗することが怖くて何も挑戦できなかった人が、職員に「次はこれをやってみたい」と言えるようになった。

こうした変化は給与明細には表れません。

でも、その人の人生にとっては、とても大きな一歩です。

B型には、**「働くこと」を通して生活リズム、自信、人とのつながり、役割、自己選択を取り戻していける良さ**があります。

## 「ずっとB型」でも「一般就労を目指す」でもいい

支援者側が注意したいのは、「一般就労こそ成功」という価値観を本人に押しつけないことです。

一般就労を目指したい人には、そのための経験を積める支援をする。

一方で、体調や障がい特性に合わせてB型を安心して利用し続けることが、その人にとって豊かな生活につながる場合もあります。

大切なのは**支援者が決めたゴールではなく、本人が望む暮らしから「働く」を考えること。**

相談支援専門員、サービス管理責任者、支援員、ご家族が本人の声を中心に置きながら、「今の働き方は本当にこの人に合っているだろうか」と定期的に考えていくことが必要です。

## B型は「できない人が行く場所」ではない

私は、ここを一番伝えたいと思います。

就労継続支援B型は、**一般企業で働けない人を一つの場所に集めるための制度ではありません。**

その人が持っている力を見つけ、自分に合ったペースで社会とつながり、「自分にもできる」「自分も誰かの役に立っている」という実感を積み重ねていく場所です。

週5日働くことだけが「働く」ではありません。

週1日から始めてもいい。

途中で休んでもいい。

得意な作業から始めてもいい。

そして力がついたら、次の働き方を考えてもいい。

**人を仕事に合わせるのではなく、仕事や環境をその人に合わせていく。**

そこに、福祉としての就労支援の大きな意味があります。

本人やご家族がB型を検討しているなら、まずは地域の事業所を見学してみてください。

「ここなら少しやってみたい」

本人からそんな言葉が聞ける場所との出会いが、新しい生活の第一歩になるかもしれません。

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